見えてるものを見えないように、聞こえるものも聞こえないように、私をぎたぎたに切り刻んで、もう元が人間だったなんて分からないぐらいに貪って、貴方だけのものにして下さい。この肉体を糧にして、貴方だけが食して下しさい。そうしないと私は、もう、後戻りも出来ないまま、壊れてしまいそうなのです。 あそこの木に縛り付けて、ほら、ちゃんと縄だって用意してあるのよ。その紅い舌で私を味わうの。足の先から頭のてっぺんまで、私は貴方だけのもの。貴方だけの、私。ね、はやく。はやくしないと壊れてしまうわ。はやく、はやく。 「・・・・?」「どうしたの、はやく」「何を云ってるんですか」「ねぇニア、私は貴方だけの私よ」「はい」「他の者の手に穢されないうちにはやく手をかけて頂戴」「、ちゃんと聞いて下さい、は私が守ります、」「それじゃあどうにもならない事もあるの」「私が守ります、だから、だからどうか、そんなこと云わないで下さい」 「・・・ニア」 御免なさい、御免なさい。私はどうしようもなく莫迦なのです。はやくしないと、私の意味が無くなる気がして、私の存在が消えてしまう気がして、怖かったのです。そして貴方も何処かに行ってしまう気がして、そうなるくらいなら、貴方に私を殺めて貰いたいと思ったのです。御免なさい、御免なさい、 「大丈夫、大丈夫ですから」「うん」「私は此処に居ます、貴女の隣に居ます」「うん」「だから泣かないで、」「・・・うん」「そんな、何も怖いものなんてありませんよ」「・・・違うの、違うのよニア」「何がですか、」「私が怖いのは、」 私が怖いのは、他の誰でもない私自身。 |